腫瘍に正常組織が隣接している場合、従来の放射線治療では正常組織にも
高い線量が投与されてしまい、副作用を低く抑えることが困難でした。
IMRTでは、腫瘍に十分な線量を投与しつつ、正常組織の線量を抑えるような線量分布を
作成することが可能です。
例えば、前立腺がんに対するIMRTでは、前立腺に十分な放射線量を投与しつつ、
直腸や膀胱の線量を抑えます。IMRTはコンピュータの発展と機器の進歩により
実現した新しい放射線照射技術です。
放射線を照射する方向から体を見た場合、
前立腺の一部は膀胱や直腸などの他の臓器と重なります。
IMRTでは、放射線を遮るためのMLC (Multi Leaf Collimator)の形状を変化させて放射線を照射することで、他の臓器と重ならない前立腺の領域には線量を多く、重なっている領域には線量を少し抑えるような変調ビームを設定することが可能です。
当院では、前立腺がん、子宮がん、頭頸部がんなどに対してIMRTを実施しています。
患者さんの状態によってはIMRTの適応とならない場合もございますので、医師とご相談下さい。
初回のみ | 1割負担 | 3割負担 |
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放射線治療管理料 | 5,000円 | 15,000円 |
放射線治療専任加算 | 330円 | 990円 |
医療機器安全管理料 | 1,100円 | 3,300円 |
合計 | 6,430円 | 19,290円 |
毎日 | 1割負担 | 3割負担 |
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体外照射 強度変調放射線治療(IMRT) | 3,000円 | 9,000円 |
画像誘導放射線治療加算 | 300円 | 900円 |
外来放射線治療加算(外来の方のみ) | 100円 | 300円 |
合計 | 3,400円 | 10,200円 |
総計(初回のみ + 毎回×照射回数(37回)) | 1割負担 / 132,230円 | 3割負担 / 396,690円 |
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医師が患者さんのご希望を伺い、IMRTの適応について検討致します。IMRTの治療が決定した後、治療スケジュールを立てます。IMRTの線量と照射回数は、疾患や病態によって異なります。
目安としては、前立腺がんでは37回から39回、子宮がんでは28回、頭頸部がんでは33回です。
病変と正常組織の位置関係を把握するため、CT撮影を行います。CT撮影の際には、治療中に体が動かないようにするための固定具を作成致します。また、治療位置の目印となるシールを貼り、マジックで線を体に書きます(マーキング)。
このCT撮影の時に決定した体位で治療を実施致しますので、無理をなさらず、辛い姿勢の際はスタッフに遠慮なくお教え下さい。この行程にかかる時間は約40分です。
撮影したCT画像を用いて、どのように放射線を照射するか決定致します。 コンピュータによるシミュレーションを繰り返し行い、個々の患者さんに最適な変調ビームの組み合わせを求めます。
CT撮影時に書いたマジックの線が消えないように、上書き致します。ご入浴の際には線の部分を強く擦らないようご注意下さい。汗等で線が薄くなりますが、ご自分ではお書きにならないで下さい。もし、線が消えそうな時はスタッフまでご連絡下さい。この行程にかかる時間は、約10分程度です。
IMRTは複雑な照射方法のため、患者さんの治療前に照射精度と安全性の検証を行います。実際の治療装置で人間の模型に放射線を照射し、放射線測定器で線量測定を行います。
治療の位置確認をするため、本番同様に治療台に寝てX線写真を撮影します。この行程にかかる時間は約20分です
1回の治療時間は約20分ですが、治療部位や患者さんによって異なります。原則、土日祝日を除いて毎日治療致しますが、ご都合の悪い日等ございましたら、担当医にご相談下さい。